BIM/CIMの導入により今後の施工管理者の業務はどう変わる?建設DX時代に求められる人材と組織づくり
近年、建設業界は深刻な人手不足に悩まされています。建設業界の就業者数は477万人でピーク時である平成9年の685万人からは200万人以上減少しています。
さらに、年齢別で就業者の割合を見てみると60歳以上の技能者が全体の1/4を占めており10年後にはその大半が引退することが見込まれています。
また、建設業就業者は55歳以上が35.9%、29歳以下が11.7%と高齢化が進行し、若手入職者の確保・育成が課題として挙げられます。課題解決のために政府は生産性の向上を目的として国土交通省は建設DXを推進を後押ししました。

建設DXの推進
こういった人手不足の現状の中で、政府は打開策として建設DXの推進を掲げました。
具体的な対応として、建設DXの一環である計画・調査・設計段階から3次元モデルを活用するBIM/CIMの導入が国土交通省より原則として適用されました。
このモデルを活用することにより現場施工管理者にとって設計変更への対応が早くなったり、情報共有が効率化されたり、工程管理の精度が向上するといったメリットが挙げられます。
一方で、私たちが建設会社の採用担当者や現場責任者の方々から相談を受ける中で、BIM/CIMを導入したが活用できる人材がいないことやDXの活用を得意とする若手人材が定着しないこと、データ管理業務が新たに発生したなどの課題を耳にします。
BIM/CIMは確かに施工管理者の業務効率化に大きく寄与しますが、実際には「システム導入」よりも「運用できる人材の確保」が大きな課題になります。
本記事では、BIM/CIM導入によって施工管理者の業務がどのように変化するのか、現場で起きやすい課題と解決策を、施工管理人材支援に携わる私たちの視点から解説します。
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目次 []
BIM/CIMとは?なぜ今注目されているのか
BIM/CIMとは何か
BIM(Building Information Modeling)およびCIM(Construction Information Modeling)は、建設プロジェクトに関する情報を3Dモデルに統合し、設計から施工、維持管理まで一元管理する手法です。
BIM/CIMの違い
この二つの違いとしては、BIMは対象分野が住宅やビルなどの建築がメインで、CIMは道路やトンネルなどインフラ施設の土木が対象になります。
どちらにおいても従来の施工管理士は工程管理・品質管理・安全管理・原価管理の4つの仕事が中心でした。工程表や図面の作成が紙中心であったり、メジャーによる寸法確認、写真の撮影、現場の巡回など人が動く業務が中心でした。
しかし、BIM/CIMの導入によって人が担っていた業務をAIツールが代替し、情報をデータとして連携することが可能になります。
例えば、情報共有に関してはクラウド上で発注者・設計者・施工管理者が同じモデルを確認できるため、リアルタイムで情報を共有することが可能となります。他にも、ドローンやスキャナーで取得した現場データを3Dモデルと連携させることで、わざわざ写真撮影や寸法のために現場に足を運ぶ工程が削減され、施工管理者の業務が高度化されます。
BIM/CIM導入で期待される効果
- 設計変更の共有が迅速化
- 手戻り工事の削減
- 関係者間の情報共有が強化
- 工程管理の可視化
- 安全管理の効率化
一方で、導入すれば自動的に成果が出るわけではありません。
これらの膨大なデータを管理・運用できる人材の有無が成功を左右します。
BIM/CIM導入で施工管理者の業務はどう変わるのか
では、BIM/CIMの導入によって施工管理者の業務はどのように変わってくるのでしょうか。特に変わるのは「情報管理」の方法です。
| BIM/CIM導入前 | BIM/CIM導入後 |
|---|---|
| 紙図面での確認 | 3Dモデルで確認 |
| 電話・口頭共有 | クラウド共有 |
| 手作業集計 | データ連携 |
| 現場確認中心 | データ分析活用 |
| 写真管理 | モデル連携管理 |
減少する業務は、図面の差し替え確認・重複入力作業・手戻り対応・情報伝達ミスの修正が挙げられます。一方で、モデル管理・データ更新・システム運用・DX教育・情報セキュリティ管理といった業務が増加していきます。よくある誤解として「BIM/CIMを導入すると施工管理者が楽になる」という考え方です。
実際には単純作業は減りますが、多くのデータを管理し活用する業務が増加します。
つまり施工管理者には、従来の現場管理能力に加えてDXスキルが求められるようになるのです。
BIM/CIM導入で発生する人材課題
建設会社が最も苦労するのはシステム導入ではなく、運用人材の確保です。
私たちは現場から、システムを導入してもそれを使いこなすための教育に手が回らないことや運用担当者が退職すること、現場ごとに運用ルールが異なり、データ更新が属人化することなどの課題をよく耳にします。
担当者が異動や退職をすると運用が停止し、結果的にBIM/CIMが活用されなくなります。
また建設業界では2024年問題への対応も求められており、施工管理者の労働時間削減も重要なテーマとなっています。
DX推進と人材不足対策を同時に進める必要があるのです。
BIM/CIM導入を成功させる実践ステップ
成功企業には共通点があります。
それは「システム導入前に人材計画を立てていること」です。
| 実施項目 | ポイント |
|---|---|
| 現状分析 | 業務棚卸しを行う |
| 人材確保 | DX推進担当を配置 |
| 教育 | BIM/CIM研修を実施 |
| 運用 | マニュアル整備 |
| 効果測定 | KPI管理を実施 |
ステップ1 現状分析
BIM/CIM導入を成功させるためには、まず現状分析が必要です。
多くの業務を抱えている中でどの業務をデジタル化すべきかを明確にする必要があり、それに適したシステムを使用します。
ステップ2 人材確保
システムは導入して終わりではありません。
導入したシステムを推進する体制の整備が必要です。
ステップ3 教育
システム導入後は従業員向けにBIM/CIM研修を実施して必要な知識・スキルを習得させます。
ステップ4 運用
知識やスキルを習得した後は、それを実施するための運用段階の整備が必要です。
具体的には、マニュアルを整備することや運用フローを整えることなどが挙げられます。
これらを実施することで業務の標準化と定着化を図ります。
ステップ5 効果測定
DX推進にこのステップが必要な理由はBIM/CIMの導入によってどれだけ業務改善できたかを定量的に把握し、改善につなげるためです。
モデル作成時間の短縮率や設計変更による手戻り件数、図面作成工数の削減率などのKPIを設定します。
定期的に効果を測定し、酷評地との差異を分析することで運用方法や教育体制の改善につなげ、BIM/CIM活用の定着と建設プロジェクト全体の生産性向上を図ります。
これらのステップで特に重要なのは、人材採用・教育・運用を同時に考えることです。
システムだけ先行すると、現場負担が増えるケースも少なくありません。
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エスプールヒューマンソリューションズだからできること
エスプールヒューマンソリューションズとは
エスプールヒューマンソリューションズは人材派遣を中心にサービスを展開しています。
その中で施工管理サービスは、建設業界向けに施工管理技術者の派遣・人材紹介を行い、建設プロジェクトの円滑な運営を支援するサービスです。
工程・品質・安全・原価管理などの業務を担う人材を提供することで、慢性的な人手不足や技術者不足の課題解決に貢献します。
また、採用から配置、就業後のフォローまで一貫して支援し、企業の人材確保負担の軽減と生産性向上を実現します。建設需要の増加や働き方改革への対応を支える事業として展開しています。
施工管理サービスを利用するメリット
私たちは建設業界向けの人材サービスを通じて、多くの企業の人材課題解決を支援しています。
BIM/CIM導入においても、施工管理派遣や人材紹介だけではなく、若手施工管理者の確保から育成までのノウハウを提供することが可能です。
システム導入だけでは建設DXは成功が難しいです。
重要なのは「運用できる人材」と「継続できる組織体制」を整えることです。
私たちは採用から育成までを含めた支援を行い、建設会社のDX推進をサポートします。
よくある質問
Q.BIM/CIMを導入すると施工管理者は不要になりますか?
いいえ。むしろ施工管理者の役割は高度化します。単純な事務作業は減少しますが、データ分析や関係者との調整など、人が担う業務の重要性は高まります。そのため、従来以上に幅広いスキルが求められます。
Q.BIM/CIM導入は中小建設会社でも可能ですか?
可能です。実際には段階的な導入を行う企業が多く、まずは特定プロジェクトで活用するケースもあります。重要なのは、自社に合った運用体制と教育計画を整備することです。
まとめ
BIM/CIMは施工管理業務を大きく変える可能性を持っています。
一方で、導入によって新たなデータ管理業務や運用負担が発生します。
建設DXを成功させるためには、システム導入だけでなく、人材確保と教育体制の整備が不可欠です。
私たちは施工管理人材の確保や育成支援を通じて、建設会社のDX推進をサポートしています
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